おはようございます。一般社団法人知る・愉しむ日本の器小松早苗です。
今日は中秋の明月。
ん?仲秋の明月?
中と仲・・
いったいどっちが正しいのでしょう。

関西調理師会古萌会会報誌9月号は、お月見について書かせていただきました。
旧暦では、七月・八月・九月が秋にあたります。
その秋の真ん中の日である八月十五日は「中秋」と呼ばれ、一年のうちで最もきれいな月を見ることができる日とされてきました。
因みに「仲秋」と書く場合は、真ん中の一か月、つまり旧暦八月全体のことを意味します。
そう、中秋と仲秋
書き分けが必要なんですね。
そして、中秋の明月とはそういう意味ですので、決して満月ではないんですね。
ですが、なんと今年は満月の仲秋になるんだそうです。
これは、8年ぶりとのこと。
今日のお天気はどうでしょう?
綺麗なお月様が見えるといいですね。

秋の月見にはもうひとつ、旧暦九月の十三夜を愉しむ風習があります。
十五夜、十三夜の二つを「二夜の月」といい、どちらか片方だけお月見をする「片見月」は縁起が悪いと言われます。
なぜ縁起が悪いのか・・。
江戸時代、遊里ではこの二つのお月見の日を「紋日」という特別な日に設定し、お客さんたちもいつもより気前よく散財したそうです。
「十五夜の日に来てくれたのなら、十三夜も遊びに来ないと縁起が悪いわよ。」という遊女の囁き。
ダブルお月見キャンペーンのお誘いが「片見月は縁起が悪い」となって、今に言い伝えられているというのです。
平賀源内の土用のうなぎの話しかり、江戸時代の粋で風流な、そして逞しいマーケティング戦略、なかなか興味深いものがありますね。

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